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title: 人事・組織デューデリジェンス担当の役割と限界｜第5回
description: 【東北・宮城・仙台】M&Aにおける人事・組織デューデリジェンスの役割と限界を解説。経営者が補うべきポイントを把握し、成功に導くための戦略を紹介します。
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# 人事・組織デューデリジェンス担当の役割と限界｜第5回

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 エスポイント合同会社

2025年4月6日

![人事・組織デューデリジェンス担当の役割と限界](https://esu-po.com/hs-fs/hubfs/blog/swma/eyecatch/%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E3%83%BB%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%8B%85%E5%BD%93%E3%81%AE%E5%BD%B9%E5%89%B2%E3%81%A8%E9%99%90%E7%95%8C.png?width=750&name=%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E3%83%BB%E7%B5%84%E7%B9%94%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%8B%85%E5%BD%93%E3%81%AE%E5%BD%B9%E5%89%B2%E3%81%A8%E9%99%90%E7%95%8C.png)

結論から言うと、人事DDだけで「人の問題」は読み切れません。

制度や労務の確認はできても、統合後に離職を招く不安や文化摩擦は、経営側が別途拾いにいかなければ見落とします。

M&Aの成否は、最終的に「人」と「組織」で決まると言っても過言ではありません。財務状況が健全で、法務リスクがなくても、買収後に組織文化が衝突したり、キーパーソンが次々と辞めてしまったりしては、期待した効果は得られません。特に、職員の専門性やチームワークがサービスの質に直結する社会福祉法人にとって、「人」に関する問題は事業継続の根幹に関わる重要課題です。

そこで重要になるのが「人事・組織デューデリジェンス（人事DD）」です。しかし、人事DDも万能ではありません。労務リスクや制度上のギャップは把握できても、「職場の雰囲気」や「職員の本音」まで完全に読み解くことは困難です。会議では制度統合の話が進んでいても、現場では「誰に相談すればいいのか分からない」「評価の基準が変わるのではないか」といった不安が静かに広がることがあります。

この記事では、この人事・組織DDに焦点を当て、「何が調査でき」「何を見抜くのが難しいのか」という役割と限界を具体的に解説します。さらに、DDだけでは見えない「人」のリスクに経営者としてどう向き合い、対処していくべきかを整理します。

この記事を読めば、人事DDで把握できること・できないことの境界線を知り、見えない「人」のリスクに先手を打つための具体的な戦略と行動指針が得られます。M&Aを成功に導くために、人のマネジメントをどこまで事前に設計すべきかを確認していきましょう。

Key Points

- 人事DDで見えることと**見えにくいこと**
- 統合後の離職を防ぐ**初動設計**
- 文化摩擦に備える**補完策**

この記事の想定読者とゴール

- 読者 人事・組織面の統合リスクを正しく把握したい経営者・管理職
- 読者 人事DDの結果をどう統合計画へつなげるか知りたい実務担当者
- 読者 離職や文化摩擦を事前に防ぎたい読者
- ゴール 人事DDの調査範囲と限界を理解する
- ゴール 制度差だけでは見えない人材リスクを補完する方法を把握する
- ゴール 統合初動で優先すべき打ち手を整理する

連載ナビ

- ピラー [社会福祉法人M&Aガイド](https://esu-po.com/info/sfma2000)
- 第1回 [役割分担の全体像](https://esu-po.com/info/sfma2001)
- 第2回 [仲介会社の役割と責任範囲](https://esu-po.com/info/sfma2002)
- 第3回 [財務・法務DD・FAの役割と限界](https://esu-po.com/info/sfma2003)
- 第4回 [設備・土地評価の重要性と詳細調査ポイント](https://esu-po.com/info/sfma2004)
- 第5回 人事・組織文化の役割と限界
- 第6回 [M&A推進体制の構築・専門家活用の選択肢](https://esu-po.com/info/sfma2006)
- 第7回 [M&Aプロセスでの自己判断ポイント整理](https://esu-po.com/info/sfma2007)

**目次**

1. [人事DDの範囲](https://esu-po.com/info/sfma2005#sfma2005-scope)
2. [人事DDの限界](https://esu-po.com/info/sfma2005#sfma2005-limits)
3. [見えないリスクへの対応策](https://esu-po.com/info/sfma2005#sfma2005-response)
4. [人事・組織DDで見るべき論点](https://esu-po.com/info/sfma2005#sfma2005-comparison)

 

## 人事DDの範囲

人事・組織デューデリジェンス（人事DD）とは、その名のとおり「人」や「組織」に関する事項を多角的に調査するプロセスです。M&Aでは財務DDや法務DDが注目されがちですが、実は労務管理や組織運営の健全性も成功に欠かせない調査領域です。特に社会福祉法人のM&Aでは、職員の処遇や職場環境が利用者サービスに直結するため、人事DDの重要性は高いと言えます。

見ておきたい実務変化: 人材獲得競争と離職リスク

福祉業界では人材確保の難易度が上がっており、M&Aでは制度統合よりも先に離職リスクの抑制が重要になっています。人事DDで制度差を確認するだけでなく、誰が現場の不安を受け止め、どの順で説明するかまで初動設計に含める必要があります。

人事DDで具体的に明らかにできるのは、主に以下のようなポイントです。

- **労務管理の状況把握：** 買収対象法人における就業規則や雇用契約、勤怠管理など労務面のコンプライアンス遵守状況を確認します。例えば、就業規則が最新の労働法令に対応して整備・運用されているか、労働契約書や労使協定が適切に締結・届出されているか等を調べ、未整備な箇所や潜在的な労務トラブルの種を洗い出します。社会福祉法人では職員の時間外労働や休暇取得の状況、福利厚生制度の実施状況などもチェック対象です。労務デューデリジェンス（労務DD）とも呼ばれるこの領域の調査により、**買収後に引き継ぐことになる労務リスク** （未払い残業代・有給の未消化、ハラスメント問題の有無等）を把握できます。
- **人員構成と組織体制の分析：** 従業員数や年齢構成、離職率、役職者の配置など**組織構造上の特徴** を把握します。組織図どおりに現場が機能しているか、特定のキーパーソンに業務が集中しすぎていないか（属人化リスク：特定の個人に業務が依存し、その人がいないと業務が回らなくなる危険性）、管理職の層が適切か、といった観点で分析します。社会福祉法人では介護職や相談員など有資格者の配置基準がありますが、その基準を満たしているか、資格・経験を持つ人材が偏在していないかも重要なチェックポイントです。例えば、ある高齢者施設の事業譲渡で、人事DDにより**現場責任者が実質1名に依存していた** ことが判明すれば、引継ぎや後任育成の対策が必要になります。このように**組織の形と人材配置の妥当性** を調査することで、買収後に組織運営上問題となりそうな点を事前に把握できます。
- **人事制度とコストの確認：** 給与体系・賞与や退職金制度、人事評価制度、福利厚生など**人事制度面のギャップ** を洗い出します。買い手企業（自法人）との制度差異が大きい場合、買収後の統合で不公平感や運用コスト増につながる可能性があるためです。例えば、売り手法人で勤続年数による昇給制度があれば、自法人の能力主義の制度と統合する際の調整策が必要でしょう。あわせて、人件費総額や一人当たり人件費、生産性といった**人件費の水準** も分析されます。これらは将来のシナジー効果やコスト計画に影響するため、人事DDの段階でデータを把握しておくことが重要です。
- **組織風土や企業文化のヒント収集：** **定量化しにくい部分ですが、人事DDでは組織風土や企業文化に関する情報収集も行います** 。具体的には、経営理念やミッションの浸透度、現場の意思決定プロセス（トップダウンかボトムアップか）、コミュニケーションの取り方（風通しの良さ）などを、可能な範囲でヒアリングします。社会福祉法人の場合、「利用者本位のケア」を掲げていても現場が書類業務に追われて利用者対応が形骸化していないか、職員同士の助け合い風土があるか、といった点も気になるところでしょう。人事DDでは主に**経営陣や管理職へのインタビュー** 、提供資料（職員アンケート結果や研修資料など）の分析から文化面の傾向を探ります。財務DDが過去の数字分析中心なのに対し、人事DDは**買収後を見据えた定性的情報の収集** に重きを置く点が特徴です。

以上のように、人事・組織デューデリジェンス担当者は「労務管理の専門知識＋組織分析の視点」で対象法人を多面的にチェックします。社会福祉法人M&Aでは、公的補助や行政監査の対象となる人件費の取扱いや、職員の資格要件遵守状況など固有の確認事項もありますが、基本的な調査範囲は一般企業のM&Aと大きく変わりません。プロの調査により、人事・労務面の潜在リスクを可能な限り浮き彫りにすることが人事DD担当の役割と言えるでしょう。

| 論点 | DDで確認できること | 見えにくいこと | 経営側の補完策 |
| --- | --- | --- | --- |
| 労務制度 | 給与、就業規則、残業、有休 | 制度変更への心理的抵抗 | Day1説明と個別面談計画 |
| 人員構成 | 年齢、資格、管理職配置 | 隠れたキーマン依存 | 現場ヒアリングで補完する |
| 組織文化 | 理念、会議体、権限構造 | 本音や不満の伝播経路 | 小規模対話と匿名収集を行う |
| 定着リスク | 離職率、採用難易度 | 合併発表後の揺れ | 100日プランで追跡する |

実務で押さえたい: 人事統合の初動

- 制度統一の前に、現場が不安に感じる論点を見える化する
- キーマンと管理職への説明順を決め、初動の離職を防ぐ
- 説明会だけで終わらせず、100日単位で定着指標を追う

![労務DDと人事DDの調査対象の違いを示した図](https://esu-po.com/hubfs/blog/swma/sw2005/labor-hr-dd-comparison-fixed.drawio.svg)

図1: 労務DDと人事DDの違い

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## 人事DDの限界

人事DDは人に関するあらゆる情報を調べますが、それでも完全には把握できない領域があります。デューデリジェンスの限界として代表的なものを挙げると、職場の文化や雰囲気、従業員個々の意欲や人間関係といった定性的な要素です。これらは数字や書類に表れにくく、短期間の外部調査では掴みきれません。

![人事統合の初動で見る4つの論点を整理した図](https://esu-po.com/hubfs/blog/swma/188197595184/sfma2005_fig04_hr_risk_points_v3.png)

図3: 人事統合初動の確認ポイント

実務メモ: 人事DDで本当に見たいのは「制度差」より「不安が拡散する経路」です

給与や規程の差分は比較できますが、離職が増える案件は、誰が現場の不安を受け止めるのかが決まっていないことが多くあります。統合前から対話の動線を設計しておく必要があります。

- **企業文化・職場風土:** 人事DDでは経営理念や社風のヒントを探るものの、実際の**職場文化までは深く踏み込めない** のが現実です。例えば、表向きは「風通しの良い職場」と説明されていても、実際には現場で部署間の壁が厚い可能性もあります。しかし短い面談や提示資料だけでは、その組織特有の文化（例：現場リーダーのカリスマ性や暗黙の了解事項）は見抜けないことが多いのです。買収後に初めて「実は根深い派閥があった」と気づくケースもありえます。特に社会福祉法人では創業者の理念が強く根付いていたり、利用者本位の精神が共有されているかどうかなど**現場文化の相性** が事業継続に影響しますが、これも事前調査だけでは完全には評価困難です。
- **従業員のモチベーションや忠誠心:** 書類上は優秀な人材リストがあっても、その人たちが**買収後も働き続けてくれるか** は未知数です。人事DDでは離職率や従業員満足度調査の結果などから大まかな傾向を掴みますが、**個々人の本音までは把握できません** 。たとえば対象法人のキーパーソンが買収に不安を感じて転職を考えているかもしれませんが、交渉段階ではその兆候をつかみにくいものです。重要な人材ほど社内でも守秘義務のため事前接触が限られるケースが多く、結果として「フタを開けたら主要スタッフがごっそり辞めてしまった」というリスクはゼロにはできません。
- **将来の現場の融和状況:** 人事DD担当者は買収後の組織統合を見据えて助言はできますが、実際に人がどう動くかまでは保証できません。例えば、給与体系統合のシミュレーションや組織図再編案は提示できても、従業員が統合をポジティブに受け入れるか、現場同士がうまく融合するかは予測が難しい領域です。M&Aでは「人の感情」が計画を左右する面があり、人事DD報告書には表れないソフトリスクとして残ります。

![人事DDの限界を示す氷山モデル](https://esu-po.com/hubfs/blog/swma/sw2005/hr-dd-iceberg-drawio-fixed.drawio.svg)

図2: 人事DDの見える領域と見えにくい領域

組織文化を調べるときは、「相性が良いか」という印象だけで結論を出さず、日々の仕事で何が違うのかを確認します。例えば、事故を誰に報告するか、勤務変更を誰が承認するか、現場から改善を提案できるか、利用者や家族の意向を支援計画へどう反映するかです。

経営者の説明、規程、面談の内容、実際の記録を照らし合わせ、確認できたことと未確認のことを分けます。面談は目的、記録方法、閲覧者を決めて行い、一人の発言をそのまま法人全体の評価にしません。見つかった違いごとに、引き継ぐ手順、説明する担当、試行する期間を決めます。

 

実務メモ: 人材動向を見る視点

 福祉人材は、近隣の他法人や異業種との条件比較をますますシビアに行うようになっています。人事DDで離職率を見る際は、単なる「数字」だけでなく、「近隣に競合施設が新設されていないか」「地域の賃金改定や採用条件に自法人が追いついているか」といった外的な労働市場の変化と照らし合わせることが、リテンション戦略には不可欠です。

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## 見えないリスクへの対応策

人事・組織デューデリジェンスで浮き彫りになった課題への対応はもちろん大切ですが、**調査で見えなかった部分をどう補うか** が経営者・買い手法人の腕の見せ所です。専門家の報告を鵜呑みにするだけでなく、以下のような施策で人事DDの限界をカバーしましょう。

- **経営陣同士の対話で文化を感じ取る:** 買い手・売り手双方の経営トップや人事責任者が、早い段階から直接対話する機会を持ちましょう。これは単にデータ交換するだけでなく、お互いの経営理念や企業文化、トップの人柄を確認し合う場として有効です。例えば会食や少人数ミーティングを通じて、「福祉にかける想い」「職員に対する考え方」といった価値観の共有を図ります。厚生労働省のマニュアルでも、譲渡側・譲受側の間で頻繁な調整会議を行い、職員処遇についても事前に十分協議しておくことが重要とされています。トップ同士が腹を割って語り合うことで、デューデリジェンス報告書には載らない微妙な文化の違いに気付けるかもしれません。

その際、「貴法人で最も大切にしている価値観は何ですか？」「職員の失敗をどう捉えていますか？」「意思決定はどのように行われていますか？」といった具体的な質問を投げかけ、表面的な回答だけでなく、その背景にある考え方や組織の空気感を探ることが重要です。

- **買収後を見据えた人材マネジメント戦略の策定:** デューデリジェンス結果を踏まえつつ、買収後の具体的な人材マネジメント施策を事前に描いておきます。特に重要人材のリテンション（Retention：引き留め、定着促進）策は最優先事項です。実務上は、キーパーソンとの個別面談を早期にセットし将来ビジョンを共有する、待遇面でインセンティブを用意する、といった対応が考えられます。

次に、組織体制や制度統合の方針決定も欠かせません。どの時点で人事制度を統一するか、役職体系をどうすり合わせるか、組織図はどう変更するか――こうした方針を早めに定め、統合後100日プランなど具体策に落とし込みます。中小企業庁の「中小PMIガイドライン」でも、買収後の組織融合に向けて経営ビジョンの浸透、従業員同士の相互理解醸成、取引先との関係再構築など段階的に取り組むよう提言されています 。人材マネジメント戦略を描くことは、買収後の混乱を防ぎ、シナジー効果を早期に実現する土台となります。

- **従業員への丁寧な情報開示と意識醸成:** 職員への説明は、実行後の説明会だけで済ませず、合併と事業譲渡の手続に合わせて準備します。合併では、合併後の処遇を実行前に説明します。特に事業譲渡では、承継を予定する職員に、譲受法人の概要、担当業務、勤務地、労働条件などを説明し、本人が判断するための協議の時間を確保します。個別の承諾と、労働組合等との協議は別に確認します。

法人内では、公表できる範囲、個別に先行して伝える事項、説明担当、質問への回答時期を決めます。未確定の処遇や配置は未確定と伝え、説明会への出席を承諾の代わりにしません。契約締結日と実行日を分けて工程を管理し、実行後も、説明と実際の勤務・給与に違いがないかを確かめます。

社会福祉法人では職員一人ひとりが利用者対応に責任を負っています。したがって、買収側のビジョンや統合のメリットを腹落ちしてもらうために、双方向のコミュニケーション機会を継続的に設けてください。説明会だけでなく、匿名で質問や意見を出せる目安箱を設置したり、部門ごとに少人数の意見交換会を実施したりするのも有効です。従業員の不安を早期に解消し、「新体制でも自分たちは尊重される」と感じてもらうことが、文化の融合と定着の近道です。

- **統合プロセスへの現場参加とフォロー:** 買収後のPMI（Post Merger Integration：買収後の統合プロセス）フェーズでは、現場の声を反映させた統合プロセスを設計しましょう。人事制度の変更や組織再編を行う際、できれば両法人の現場代表者を交えたプロジェクトチームを作り、実務レベルの課題を拾い上げます。例えばシフト管理の方法や利用者対応ルールの統一など、現場職員が不安に思う点を議論してもらうのです。こうした現場参画型の統合作業により、従業員は主体性を持って新しい組織づくりに関われますし、経営陣も知らなかった細部の問題を事前に潰せます。

また、統合後しばらくは人事担当役員や外部アドバイザーが各事業所を巡回し、困りごとのヒアリングや追加説明会を行うフォローも有効です。中小PMIガイドラインでも、「統合後1年程度の計画的なフォローアップ」を推奨しています。人が主役の社会福祉事業において、丁寧なフォローは利用者サービス品質の維持にもつながるでしょう。

![人事DDの限界を補う4つの経営アクションを整理した図](https://esu-po.com/hubfs/blog/swma/sw2005/hr-dd-four-actions-drawio-fixed.drawio.svg)

図4: 人事DDを補う4つの経営アクション

以上のような取り組みにより、デューデリジェンスで判明した課題への対応は万全を期しつつ、判明しなかった「人」の課題にも先手を打つことができます。ポイントは、「相手を知り、自分たちも変わる」姿勢です。買収側が一方的にルールを押し付けるのではなく、相手法人の良い文化や人材を尊重し取り込む柔軟さも大切です。専門家任せにせず経営トップ自ら人事面の統合に関与することで、数字には表れないリスクを最小化し、M&A成功確率を高められるでしょう。

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## まとめ

人事・組織デューデリジェンスは、M&Aにおける「人」のリスクを照らし出す重要な光ですが、その光が届かない影の部分（文化や本音）も確実に存在します。専門家の報告書は貴重な判断材料ですが、それに依存するだけでは不十分です。最終的に組織を動かし、M&Aを成功に導くのは、経営者自身の「人」に対する洞察力と、丁寧なコミュニケーション、そして未来を創るという強い意志です。

幸い、社会福祉法人のM&Aには公的なガイドラインも存在します。これらを活用しつつ、「専門家に任せる分析」と「自らが向き合うべき対話と決断」を区別し、数字だけでなく「生身の人間」を見る視点を忘れないでください。

人事DDの役割と限界を正しく理解し、統合後のミスマッチを防ぎ、新しい組織で働く全ての人が前向きになれるようなM&Aを目指しましょう。本記事が、そのための具体的な一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

本記事で押さえたい要点は次の3つです。

- 人事DDでは、制度・人員・勤務実態に加え、確認できた情報と未確認の情報を分ける
- 雇用の承継、労働条件の変更、職員への説明・協議を実行前の計画に入れる
- 統合後は、給与・配置・業務負担と質問への対応を確かめ、必要な調整を続ける

次回「[第6回 M&A推進体制の構築：専門家活用の選択肢と自法人での進め方](https://esu-po.com/info/sfma2006)」は、これまでの内容を踏まえ、M&Aプロセス全体における自己判断のポイントを総整理します。 本シリーズの全体像や他の関連テーマについては、ぜひ【[社会福祉法人のM&Aにおける役割分担の全体像 記事シリーズ](https://esu-po.com/info/sfma2000)】をご覧ください。

 

## 人事・組織DDで見るべき論点

人事DDでは、人数だけでなく、制度と文化が統合に耐えられるかを見る必要があります。

| 論点 | 調査で確認すること | 法人が判断すべきこと |
| --- | --- | --- |
| 人員構成 | 年齢構成、資格者数、離職率 | 現体制を維持できるか |
| 処遇制度 | 給与水準、手当、評価制度 | 統合後にどこまで統一するか |
| 組織文化 | 現場の意思決定、属人化、摩擦要因 | 文化統合に時間と予算を投じるか |
| キーパーソン | 管理職、現場責任者の依存度 | リテンション策をどう打つか |

 

実務チェック: 職員リテンション＆文化統合 事前チェックシート

- **キーマン** 現場を実質的に支える「隠れたキーマン（資格者、ベテラン）」を特定したか？
- **処遇** 買収後、近隣の競合他法人と比較して見劣りしない賃金水準を維持できるか？
- **対話** 統合の初日（Day1）に、理事長自らが現場職員に直接語り掛ける準備はできているか？
- **融和** 両法人の「これだけは譲れない」という現場のこだわり（ケアの作法等）を把握したか？

ダウンロード資料

- [M&A自己判断ポイント・チェックリスト](https://hubs.ly/Q03g1MBX0)

[無料チェックリストをダウンロード](https://hubs.ly/Q03g1MBX0)

 

## よくある質問

#### 職員の賃金制度は、いつ統一すればよいですか？

合併や事業譲渡をしたことだけで、賃金制度を一定年数以内に統一する義務が生じるわけではありません。まず、基本給、手当、賞与、勤務時間、勤務地、退職給付を職員ごとに比較し、変更による影響を整理します。

合併では、雇用契約と既存の労働条件が承継されます。その承継と、労働条件を変更する手続は分けて考えます。事業譲渡では、労働契約の承継について本人の個別承諾が必要です。労働条件も変更して引き継ぐ場合は、承継の承諾とは別に、その変更についての同意を得る必要があります。

現在の条件を維持する案、段階的に調整する案、制度を共通化する案について、職員への影響と継続的な人件費を比べます。不利益な変更を伴う場合は、合意による変更と、就業規則を変更する場合の要件を確認します。就業規則の変更による場合は、変更後の規則の周知に加え、不利益の程度、変更の必要性、内容の相当性、労働組合等との交渉状況などに照らした合理性が問われます。説明だけで手続を終えないようにします。

#### 組織文化を数値化する指標は？

エンゲージメント調査（eNPS）と離職率を **相対評価** し、両法人のギャップを算出します。管理職へのヒアリング結果も合わせると、数値の背景が見えやすくなります。

#### PMIで最初にやるべきことは？

**共同プロジェクトチーム** を発足し、100日以内にミッション・バリューの共通宣言を作ることです。Day1 の説明順と責任者も同時に決めておくと初動が揃います。

#### チェックリストはいつ使うと効果的ですか？

交渉前の論点整理、条件交渉の直前、統合準備会議の開始時に使うと効果的です。担当者任せにせず、経営層と現場責任者で同じチェックを共有します。

#### 人事DDだけで離職リスクは防げますか？

人事DDだけでは防ぎ切れません。制度と体制に加え、説明順や不安の受け止め方まで設計してはじめて、離職リスクを下げやすくなります。

 

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