想定読者: 日々の業務に追われ、「もう少し利用者と向き合う時間がほしい」と願うすべての福祉施設職員の皆様 ゴール:...
シフト・経費・在庫管理を自動化|社会福祉施設のためのGoogle Workspace & Gemini活用術 Vol.4【バックオフィス編】
想定読者: 「毎月末の事務作業でヘトヘト…」と嘆く、施設長、事務員、シフト作成担当の皆様
ゴール: 紙やExcelに頼ったアナログな「バックオフィス業務」を、IT知識ゼロでも作れるスマホアプリ(AppSheet等)で魔法のように自動化し、残業をなくすこと。
1. はじめに
「毎月20日を過ぎると、LINEでバラバラに送られてくるシフト希望をパズルするのに頭がいっぱい…」
「レシートの山を裏紙に貼り付けて小口現金と睨めっこする月末、ため息しか出ない…」
現場の利用者さんへのケアはやりがいがあるけれど、こうした「バックオフィス(裏方)業務」にウンザリしている方は多いのではないでしょうか。
これらに時間を取られすぎて、肝心の職員の教育や、利用者さんのケア向上について考える「余白」が失われていませんか?
Vol.4では、ここまでの「AI(Gemini)」の活用から少し視点を変え、Google Workspaceの強力な連携機能と、ノーコードツールAppSheet(アップシート)を使って、月末の事務作業を一掃する方法をご紹介します。
「アプリを作るなんて、自分には絶対に無理!」と思った方、大丈夫です。Excel(Google スプレッドシート)が少し触れれば、誰でも明日から作れる時代になっています。
目次
- 1. はじめに
- 2. 毎月の「あの作業」が抱える課題と未来の姿
- 3. 実践レシピ1:シフト希望の「収集」と「自動チェック」
- 4. 実践レシピ2:レシート撮影で終わる経費精算アプリ(AppSheet)
- 5. 実践レシピ3:「誰か頼んどいて!」を防ぐ備品発注アラート
- 6. 導入効果とプロの視点:部分最適から全体最適へ
2. 毎月の「あの作業」が抱える課題と未来の姿
「名もなき転記作業」の撲滅
シフト作成や経費精算において、本当に時間がかかっているのは「考える時間」ではなく、「バラバラの情報を一つのExcelにまとめ直す(転記する)」時間です。
| 業務の悩み | ❌ Before (アナログリレー) |
✅ After (Google連携・AppSheet) |
|---|---|---|
| シフト希望の収集 | 休憩室の回覧板、個人LINE、口頭などでバラバラに集まり、それを管理者がExcelに手打ちする。 | 各自がスマホからGoogleフォームで入力するだけで、一つのスプレッドシートに自動集約される。 |
| 小口・経費精算 | 月末にレシートを裏紙に貼り、Excelのフォーマットに手入力し、ハンコをもらいに事務長を探す。 | 買い物をしたその場でスマホアプリから写真を撮るだけ。AIが金額も読み取り自動集計される。 |
| 備品の発注管理 | 「オムツあと3個しかない!誰か頼んどいて!」と大声で叫び、誰も頼まずに翌日大惨事になる。 | 残数をスマホで入力するだけで、一定数を下回ったら発注担当者に自動でアラートメールが飛ぶ。 |
3. 実践レシピ1:シフト希望の「収集」と「自動チェック」
まずは一番ハードルの低い「Google フォーム」を使ったスモールスタートから始めましょう。
「来月のシフト希望、いつまでに出せって言ったっけ?」という小言をなくすためのステップです。
1. Googleドライブから「Googleフォーム」を新規作成します。
2. 質問項目を「氏名」「休み希望日(第1候補〜第3候補)」「その他備考」だけに絞ります。
3. そのフォームのURLを、職員用のグループチャットに毎月送信するだけ。
集まった回答は、自動的に一つのスプレッドシートにリストアップされるので、「Excelへの手打ち書き写し」が完全に不要になります。
さらに進んで、集まったスプレッドシートのデータをGeminiに読み込ませ、「夜勤明けの翌日に日勤が入っていないかチェックして」と頼めば、労務違反のダブルチェックまで自動化できます。
4. 実践レシピ2:レシート撮影で終わる経費精算アプリ(AppSheet)
「AppSheet(アップシート)」は、Googleが提供している「プログラミング不要(ノーコード)でスマホアプリが作れるツール」です。
これまで、システム会社に数百万円払って作ってもらっていた業務アプリが、スプレッドシートを土台にして、たった数時間で(基本無料で)自作できてしまいます。
例えば、おやつやトイレットペーパーの「小口経費精算アプリ」。
買い物をした職員は、自分のスマホに入れた自作のAppSheetアプリを開き、「+」ボタンを押してレシートの写真をパシャリと撮ります。
それだけで、AIが写真の中の「日付」「店名」「合計金額」を自動的に読み取って入力してくれます。
あとは「送信」を押すだけ。
データはリアルタイムで施設長のスプレッドシートに飛び、施設長もスマホから「承認」ボタンを押せば完了です。月末の「レシート貼り付け職人」はもう卒業です。
5. 実践レシピ3:「誰か頼んどいて!」を防ぐ備品発注アラート
グループホームやデイサービスで起きがちなのが、オムツやトイレットペーパー、アルコール消毒液などの「在庫切れトラブル」です。
これもAppSheetを使えば簡単に解決できます。
「在庫管理アプリ」を作り、現在の数をスマホから入力できるようにします。
そしてAppSheetの「Automation(自動化)」機能を使えば、次のような仕組みを作れます。
- 「Lサイズのオムツの在庫が『残り3パック以下』になったら…」
- 「発注担当者(事務)のGmailとチャットに、自動的に『Lサイズオムツ発注のお願い』という通知を飛ばす」
もう「誰かがやってくれるだろう」という思い込みや、ヒューマンエラーによる備品切れの恐怖から解放されます。
6. 導入効果とプロの視点:部分最適から全体最適へ
「アプリを自作するなんて、自分にはハードルが高い…」
そう思われるのも無理はありません。しかし、AppSheetの最大のメリットは「小さく作って、現場の声を聞きながら、自分たちで直結していける」ことです。
何百万円もするパッケージソフトを導入しても、「うちの施設のやり方と合わない!」と使われなくなるケースを数え切れないほど見てきました。ノーコードなら、「使いにくいから、このボタンを大きくしよう」「入力項目を一つ減らそう」という修正が、わずか数秒で、自分たちの手でできるのです。
まずは「Googleフォームでのシフト回収」といった小さな「点」の成功体験から。慣れてきたらAppSheetという「線」へ。大切なのは、完璧を目指さず、まずは動かしてみる勇気です。
次回の【Vol.5(最終回)】では、ここまでの集大成として、「コミュニケーション」「記録」「管理」「クリエイティブ」など、あらゆる領域で明日からマネできる「社会福祉施設のための活用事例20選」を一挙大公開します。
【社会福祉施設を運営する事業者の方へ】
エスポイントでは、地元宮城・仙台を中心に、Google Workspaceの導入から運用ルール策定、AppSheetを用いた業務アプリの構築支援まで、地域密着型の伴走型コンサルティングを提供しています。
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あなたに代わってアプリのプロトタイプ(たたき台)を作成し、現場に定着するまで二人三脚で伴走いたします。
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