ビジネスのデジタル化が加速する中、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいけれど、何から手をつけていいか分からない」と悩む中小企業の経営者・管理部門担当者は少なくありません。
「言った・言わない」のトラブルが消滅!Google ChatとMeetの正しい使い分け|中小企業のためのGoogle Workspace活用術 第6回

「お世話になっております。〇〇です。掲題の件につきまして……」
社内向けの連絡なのに、いちいち定型文から始まる堅苦しいメール。
「この前の立ち話で伝えた件、どうなってますか?」
「えっ、あれって決定事項だったんですか? 検討段階だと思っていました」
連絡ツールがたくさんあるのに意思疎通のスピードが遅く、さらに大事な決定事項が「個人のLINE」や「すれ違いざまの立ち話」だけで済まされてしまい、後から「言った・言わない」のトラブルになる。
多くの中小企業が、こうしたコミュニケーションの迷子状態に陥っています。
Google Workspaceを導入すれば、この問題は「Google Chat」と「Google Meet」という同一プラットフォーム内の2つのツールを正しく使い分けることで劇的に改善されます。
今回は、連絡のスピードを上げつつ「抜け漏れ・記録化漏れ」を防ぐコミュニケーションの最適解について解説します。
目次
1. コミュニケーションツール乱立と「記録化漏れ」の悲劇
現在、多くの職場で以下のようなコミュニケーションの混在が起きています。
- 社内メール: 定型文が必要でとにかく時間がかかる。複数人でやり取りすると、スレッドが分岐して後から経緯を追えなくなる。
- 私物スマホでのLINE: 手軽だが、退職時にデータが持ち出されるセキュリティリスクがある。また「あれ、前に社長が送ってくれた写真、どこだっけ?」と探すことも困難。
- 立ち話・雑談: スピードは最速だが、文字として記録に残らないため、関係者間の認識ズレが起きやすく、後日「言った・言わない」の火種になる最大の原因。
情報がアチコチに分散し、そもそも文字として残っていないことすらある。この状態では、組織としてのナレッジ(知識)は蓄積されず、常に情報の伝達漏れという無駄なトラブル処理に時間を奪われることになります。
2. Google Chatによる「脱・社内メール」の威力
この課題を解決する第一歩が、社内の連絡手段を原則としてGoogle Chat(チャット)に一本化することです。
「お疲れ様です」などの前置きは不要。案件が進捗した瞬間に、スタンプや短いテキストでポンポンと会話をストロークさせることで、メール時代とは比較にならないスピードで意思決定が進みます。
さらに、Google Chatの最大の強みが「スペース(旧チャットルーム)」機能です。
「A社向けプロジェクト」「社内システム移行チーム」といった単位でスペースを作り、そこで会話を行うことで、「この案件に関する決定事項や添付ファイルは、すべてこのスペースの中にある」という情報の確実な一元化(記録の資産化)が実現します。後から参加したメンバーも、過去の会話履歴をさかのぼるだけで簡単にキャッチアップが可能です。

チャットごとにファイルやタスクも整理されるのが便利
3. ChatとMeetの正しい使い分けルール
しかし、何でもかんでもチャットで済ませれば良いわけではありません。
文字だけのコミュニケーションは、ニュアンスが伝わりづらく、複雑な相談事では「チャットの往復に何十分もかかる」という別の非効率を生み出します。
ここで重要になるのが、Web会議システムであるGoogle Meet(同期待話)との使い分けです。
エスポイントでは、以下のようなルールでの使い分けを推奨しています。
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基本はすべてChat(非同期通信): 連絡、報告、シンプルな確認事項はすべてChatで行う。必ず「文字による記録」を残す。
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複雑な相談は即座にMeet(同期通信): テキストでのやり取りが「3往復」を超えそうになったら、すぐに「Meet繋げますか?」と声をかける。画面共有をしながら、口頭で一気にニュアンスのすり合わせを行う。
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Meetの直後にChatで「決定事項(議事録)」を残す: 会議や立ち話が終わった直後、「先ほどのMeetでの決定事項は以下の3点です」と必ずChatのスペースに要約を書き込む。
この「Chat → Meet(立ち話) → Chatで記録」というサンドイッチ構造のルールを社内に浸透させるだけで、「言った言わない」のトラブルは組織からほぼ完全に消滅します。
4. まとめと次のステップ:ツールの前に「ルール」ありき
社内コミュニケーションを最適化するには、Google Workspaceという優れたプラットフォーム(ツール)を入れるだけでは不十分です。「自社に合わせたツールの使い分けルールの徹底」がカギを握ります。
まずは自社内で「どういう連絡はChatで、どういう時はMeetか」「立ち話の後は誰が記録を残すか」を決めることから始めましょう。
次回の第7回では、専任のシステム担当者(情シス)がいない中小企業に向けて、Google Workspaceを活用した「最低限守るべきセキュリティ対策」について解説します。
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【宮城・仙台の中小企業様へ】
エスポイントでは、地元宮城・仙台を中心に、Google Workspaceの導入から運用ルール策定支援を提供しています。
「ツールは入れたけれど活用ルールがない」「チャットとメールが混在してかえって混乱している」という企業様は、ぜひご相談ください。貴社の業務スタイルに合ったコミュニケーションルールの策定から、社員への定着までしっかりと伴走支援いたします。