「ねぇ、先月の取締役会の資料ってどこに保存したっけ?」 「社内サーバーの『03_会議体』の中の『2023年度』直下にある『役員会(仮)』というフォルダじゃないですか?」...
「あの人が休むと業務が止まる」を解消!Google サイトで作る「生きた」社内ポータル|中小企業のためのGoogle Workspace活用術 第5回

「〇〇さんに聞かないと、この処理の仕方が分からない」
「マニュアルはあるはずなんだけど、どこにあるか不明だから結局直接聞いている」
社内で特定の担当者(エース社員やベテラン)に業務手順やノウハウが集中し、その人が休んだり退職したりすると途端に業務が回らなくなる。このような「属人化」のリスクに頭を抱える経営者は少なくありません。
危機感を持った企業が最初に取り組むのが「マニュアル作り」です。しかし、せっかくWordやExcelで立派なマニュアルを作っても、半年後には「誰も読まない・誰も更新しない死んだ文書」になってしまうケースが後を絶ちません。
なぜ、マニュアルはすぐに使いものにならなくなるのでしょうか?
実は、Google Workspaceの「Google サイト」と「Google ドキュメント」を組み合わせるだけで、この問題を根底から覆し、常に最新状態が保たれる『生きた社内ポータル(マニュアル)』を簡単に構築することができます。
本記事では、属人化を解消し、組織の知識を本物の資産に変える「マニュアルのWebサイト化」の手法について解説します。
目次
3. 専門知識ゼロでポータルが作れる「Google サイト」
1. なぜExcelやWordのマニュアルは「死ぬ」のか?
社内マニュアルが形骸化する最大の原因は、「ファイルという形式」そのものが持つ欠陥にあります。
- 探すのが面倒: 困ったときに、ファイルサーバーの深いフォルダ階層をたどって「経費精算マニュアル_最終版.pdf」を探し出す気にはなれません。結果、隣の席の人に直接聞くほうが早いという判断になります。
- 更新のハードルが高い: 業務手順が少し変わっただけでも、「一度ファイルをダウンロードして、編集して、またファイルサーバーに上書き保存し、社内に周知する」という手間が発生します。この手間のせいで、マニュアルは次第に実際の現場の動きから乖離していきます。
「探せない」「情報が古い」。この2つのハードルがある限り、どれだけ時間をかけて作ったマニュアルも、やがて誰も見向きもしない化石のようなデータになってしまいます。
2. 社内マニュアルは「Webサイト化」が正解である理由
私たちがプライベートで何か情報を探すとき、Wordファイルをダウンロードするでしょうか? いいえ、スマホで検索エンジンを開き、最適な「Webサイト」を閲覧するはずです。
社内マニュアルも全く同じです。情報を「Webサイト形式(社内ポータル)」で提供することが、最も自然でアクセスしやすい形なのです。
「自社の社内規定」「経理・総務の各種手続き」「営業のトークスクリプトや提案書テンプレ」といった情報を、ブラウザを開けばいつでもトップページから1クリックでアクセスできる場所(ポータル)に集約する。これにより、「探す手間」という最大のボトルネックが解消されます。
3. 専門知識ゼロでポータルが作れる「Google サイト」
「Webサイトなんて、システム部門や専門の業者にお願いしないと作れないのでは?」
そう思われがちですが、Google Workspaceに含まれる「Google サイト」を使えば、HTMLやプログラミングの知識は一切不要です。
- 直感的な操作: PowerPointでスライドを作るような感覚で、テキストや画像、ボタンをドラッグ&ドロップするだけで美しいWebサイトが立ち上がります。
- 強固なセキュリティ: 作成したサイトの公開範囲を「社内限定」や「特定の部門のみ」に制限することができます。情報漏洩の心配はありません。
- スマホ対応: 作成したサイトは自動的にスマートフォンやタブレットの画面サイズに最適化されるため、外出先の営業担当者でもすぐに情報を引き出せます。

スマホやタブレット用のレイアウトも自動で作成
4. ドキュメント連動で作る「絶対に古くならない」仕組み
Google サイトを使った社内ポータル構築において、最強の武器となるのが「Google ドキュメント(やスプレッドシート)の埋め込み機能」です。
マニュアルの本文そのものをGoogle サイト上に直接書き込むのではなく、あらかじめ作成しておいたGoogle ドキュメントを「サイトのページの一部として埋め込む(表示させる)」のです。
この仕組みにすると、運用上どうなるでしょうか?
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業務の手順に変更があった際、担当者は元データの「Google ドキュメント」の文章をサッと修正します。
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その瞬間、社内ポータル(Google サイト)の表示も自動的に最新の内容に切り替わります。
マニュアルを改訂するたびに「Webサイト側のHTMLを書き換える」必要もなければ、「新しいPDFを作成して差し替える」必要もありません。現場の担当者が、普段使い慣れたドキュメントを少し修正するだけで、全社員が見ているポータルサイトが常に最新状態(生きた状態)に保たれるのです。
これにより、「更新の手間」というもう一つの大きなハードルも消滅します。
5. まとめと次のステップ:まずは「業務の棚卸し」から
属人化の解消と社内の情報共有において、Google サイトとGoogle ドキュメントを用いた「生きた社内ポータル」の構築は非常に理にかなったアプローチです。
ですが、ここでも前回の「ワークフローのデジタル化」と同じ注意点があります。
それは、「そもそも現状の業務手順が整理されていないまま、ポータルの器(Webサイト)だけを作っても意味がない」ということです。
「〇〇さんに聞かないと分からない」ブラックボックスな業務手順を、いきなりサイトに掲載することはできません。
ポータルを作る前に、まずは属人化している業務プロセスそのものをヒアリングし、無駄を省き、「誰でも実行できる形に最適化(棚卸し)」するプロセスが不可欠です。
次回の第6回では、社内のコミュニケーションそのものを最適化するための「Google Chat(チャット)」と「Google Meet(会議)」の正しい使い分けについて解説します。
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「社内ポータルを作りたいが、どう構成すればいいか分からない」「そもそも、誰の頭の中にどんな業務ノウハウがあるのか整理されていない(手順化されていない)」とお悩みの方は、ぜひエスポイントにご相談ください。
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